phaさんの『しないことリスト』を読みました。

【読書日記】『しないことリスト』pha
本の概要
「元・日本一のニート」と呼ばれたphaさんの「しないこと」が書かれた本。
いまの日本人は「~するべきだ」「~しなければいけない」と、やるべきことに追われている。
「仕事を頑張るだけじゃなくて家庭のことも両立しないといけない」
「子供をちゃんと育てて親の介護や自分の老後のことも考えなきゃ」
「自分のことだけじゃなくて環境のことや政治のことも考えるべきだ」
など。
しかし、世の中にある「~しなければいけない」と思っている99%は「しなくてもいいこと」である。
99%の「しなくてもいいこと」を手放せば、やるべきことに追われずラクに生きられる。
社会の常識に振り回されず、自分らしく生きるための思考術が学べる1冊。
学びになったこと
「しなきゃいけない」と思っている99%は「しなくてもいいこと」
「このままだとヤバい」と必要以上に脅してくる人は、何かを買わせようとしている人か、もしくは、自分に自信がないから他人の生き方を否定しようとしている人だ。そういう人たちの言うことは別に聞かなくていい。
いわゆる「しなきゃいけない」の99%は「本当は別にしなくてもいいこと」だ。
私たちが「こうしないといけない、ああしないといけない」と思い込んでいる99%のことは「本当はしなくてもいいこと」です。
この「本来しなくてもいいこと」を「しないといけない」と思い込んでしまうと、不要なタスクに追われることになり、自由を失います。
その結果「やるべきこと」に縛られて身動きが取れなくなり、生きづらい人生になるのです。
「やるべきこと」に追われず生きる方法
「しなきゃいけないこと」に追いかけられずに心に余裕を持って生きていくには、どうしたらいいのだろうか。結局、自分の頭で「それは本当に自分に必要なのか」を一つ一つ考えていくしかない。評価基準を自分の外に置いている限り、他人に焦らされるのは避けられないからだ。
「やるべきこと」「しなくてはいけないこと」に追われずに生きるためには、どうすればいいのか。
phaさんは、以下の2つのポイントが大事だと言っています。
- 他人や世間の評価で行動を決めるのではなく、自分なりの価値観を持つこと
- 他人や世間のペースに無理に付いていこうとせず、自分のペースを把握すること
他者の意見ではなく自分の意見を持てば「他の人は違う意見だけど、私はこう思う」と、ブレずに生きられます。
また、自分のペースを把握することで「社会のスピードは自分には合わない。もっと自分のペースに合わせてゆっくりいこう」と、無理することは無くなるでしょう。
贅沢は普段のギャップから生まれる
僕がよく思うのは、「たまにパーッと散財すると楽しい」というのは、その金額が高額かどうかよりも、普段とどれくらいギャップがあるか、という部分が重要だということだ。どういうことかというと、日常的に1000円のものを買っていると一万円のものを買うだけでテンションが上がるけど、日常的に一万円のものを買っているとテンションを上げるには10万円のものを買わないといけなくなる、ということだ。
贅沢は、普段使っているお金とのギャップによって生まれます。
普段1000円のモノを買う人が1万円のモノを買えば、ギャップが生まれて贅沢に感じる。
私の場合、普段買うのは100円前後のモノなので、1000円のモノを買えば贅沢に感じます。
普段から使うお金を少なくしておけば、少額でも贅沢を感じられるのでコスパが良いです。
会社員に共通する負のループ
お金を稼ぐために働いて、そのことでストレスを溜めて、そのストレスを解消するためにお金を使ってしまう、ということがないだろうか。僕が会社員をやっていた頃は、自分がそんな理不尽なループにハマっているような気がしていた。(中略)それだったら、あまり働かずに毎日時間の余裕のある生活をしたほうが、お金がなくても健康で幸せに過ごせるんじゃないだろうか。そう思って僕は会社員を辞めた。
- お金を稼ぐために働く
- 働いてストレスが溜まる
- そのストレスを発散するために、稼いでお金を使う
- お金が無くなり、また働く
- お金を稼ぐために働く(以下ループ)
会社員時代の私は、この負のループに陥っていました。
働いてもストレス解消するためにお金を使ってしまうなら、最初から働かずストレスのない生活をしたほうが良いと思います。
家賃はできるだけ下げる
現代社会で生きるのに必要なお金のうち、かなりの割合を占めるのが家賃だ。家賃をできるだけ払わなければ、その分だけお金や労働に追われずに済む。(中略)家が快適かそうでないかという問題よりも、家の維持費にお金を取られて労働しなきゃいけないほうがキツい。
家賃はできるだけ下げたほうが良いと思います。
家賃が少なければ少ないほど、生活コストが減って働く時間を減らせるからです。
私は杵築市の家賃1万円アパートに引っ越したことで、お金や仕事に追われなくなりました。
高額な家賃を払って快適な家に住むより、築年数が経った安アパートに住んで、なるべく働かず暮らしたほうがいいと思っています。
成功を積み上げない
成功はいったん得たら、すぐに手放したほうがいい。なぜかというと、得て積み上がったものが自分を縛る枷になって、しがらみだらけで自分の好きなように動けなくなるからだ。だから、積んだものはすぐに捨てることが重要なのだ。
成功は積み上げ過ぎず、早めに手放したほうがいいです。
なぜなら、その成功に縛られてしまい、身動きが取れなくなってしまうからです。
漫画『天』に登場する暴力団組長の原田は、お金も権力も手に入れた成功者です。
しかし、仕事は多忙を極め、スケジュールは半年先までびっしり。
やらなければいけない義理や付き合いに忙殺されて、ストレスに満ちた日々を送っています。
アカギは原田に対して「お前は成功という名の棺の中にいる」と言いました。
棺さ…!
福本伸行『天18巻』より
お前は「成功」という名の棺の中にいる…!
動けない…!もう満足に…お前は動けない…!
私の場合、とあるテレビ局からの取材依頼があったのですが、丁重に断りました。
メディアに露出するという「社会的な成功」を手にすると、その成功に縛られて自由を失ってしまうと危惧したからです。
積み過ぎた成功は人生を縛る要因となるので、早めに手放すことをおすすめします。
無理して頑張る必要はない
がんばるのが趣味な人は勝手にそれをやっていたらいいけど、みんながそれをマネする必要はない。仕事をするために人生があるわけじゃなく、人生を充実させるための手段の一つが仕事であるに過ぎないのだから。努力をすることは別に偉くないし、無理に働き者になる必要はない。
日本では頑張ることが美徳だとされていますが、無理に頑張る必要はありません。
努力することは偉いことではなく、ただの趣味嗜好だからです。
頑張りたい人が頑張ればいいし、そうじゃない人は無理して頑張らなくてもいい。
仕事も同じで、働くのが好きな人は働けばいいし、働くのが嫌いな人は働かなくてもいい。
無理して周りに合わせる必要は無いのです。
睡眠は命の基礎
ゆっくり十分眠れない生活は、どこか生き物として間違っているんじゃないかと思う。寝ないと人間は体を壊したり心に余裕がなくなったりするし、睡眠は命の基礎だ。(中略)個人的には寝不足で仕事をするなんてことは非人道的な拷問のようなものだと思う。
ゆっくり寝ていられない生活は、どこか間違っているように感じます。
人間以外の動物は自然と起きるまで寝ているのに、なぜ人間だけ目覚ましに起こされなければならないのか。
「Bライフ」を実践する高村友也さんは「目覚ましで起こされることほど不快なものはない」と言っています。
規則正しい生活が肉体的健康や精神的健康に良いというのはでたらめで、せいぜいいえるのは、規則正しい社会生活には、規則正しい家庭生活が必要である、この程度だろう。むしろ、目的がなんにせよ、朝目覚まし時計の不快音で起こされることほどその日一日の体調と気分を台無しにすることはない。
高村友也『自作の小屋で暮らそう──Bライフの愉しみ』より
私も目覚まし時計で起こされると、本当に最悪な気分になります。
隠居した今では、自然と目が覚めるまで寝ているので、目覚ましに起こされることは無くなりました。
睡眠は命の基礎なので、ゆっくり眠れる生活を目指すのは大事だと思います。
他者に対する寛容さを持つ
何か対立があったときは、「こちらの意見が絶対正しい」とか「あいつらは何もわかってないバカだ」というふうに、考えの違う相手を全否定するのではなくて、どちらにもそれなりに言い分と事情があるということを想像しよう。そして、なんとかすり合わせができる部分を探っていこう。そうした他者に対する寛容さを持っているほうが、結局、自分自身もラクに生きられると思う。
自分と意見が異なる人に対して「自分は正しい、相手が間違っている」と言う人がいます。
しかし、どんな意見にしろ正しいところもあれば、間違っているところもあります。
だから「自分とは違う意見だけど、相手にも正しいところはある」と考えるのが重要です。
そうすれば、お互いに「間違っているのは向こうだ」という、無意味な論争を避けられるでしょう。
どちらも正しく、どちらも間違っている。
一方的に批判するのではなく、他者に対する寛容さを持つことが、いまの日本人には求められていると思います。
多数派と少数派の働き方
働き方というのは大雑把に分けると二つある。一つは、「そんなに特別なことができるわけじゃないけれど、一つの場所に留まってまわりとの協調性を大事にしてやっていく」という働き方で、多くの会社員や公務員などはこちらのほうだ。もう一つは、「何らかの技術を身につけて、それを頼りにいろいろなところを転々としながら生きる」というフリーランス的な働き方だ。
phaさん曰く、働き方には、
- 会社員的な働き方(特別なスキルは無いが、1つの場所に留まり周りと協力しながら働く)
- フリーランス的な働き方(何かしらのスキルを身につけて、そのスキルを生かして会社以外で働く)
この2種類があるそうです。
前者は多数派に向けた働き方で、多くの人はこちらを選びます。
後者は少数派に向けた働き方で、社会に適応できない人はこちらのほうが向いているでしょう。
人それぞれ、得意・不得意は違います。
多数派のために作られた働き方は、少数派には不向きです。
同じ土俵で戦っても勝ち目はないので、自分に向いた働き方を選びましょう。
いろんなことを諦めれば、ラクになる
人生で苦しむを感じることが多いのは、世界が自分の思うように動いてくれないからだ。「こうなってほしい」とか「こんな現状はおかしい」とか、そういったこだわりが多いほど苦しみも多い。だから、期待はできるだけ諦めるようにすれば生きるのがラクになる。
人生が苦しくなる要因の1つは、いろんなことに期待しているからです。
「いまは辛いけど、将来は今より良くなっているはずだ」
「これだけ仕事を頑張ったから、上司から評価されるに違いない」
「あの人とは付き合いが長いから、きっと自分の考えを理解してくれるだろう」
人生に過度な期待をすると、それが叶わなかったときに大きな精神的ダメージを受けます。
最初から期待しなければ、もし自分にとって嫌なことが起きても「まあ、人生なんてこんなものだろう」と冷静に受け止めることができます。
私は人生に期待せず、いろんなことを諦めるようになってから、生きるのがラクになりました。
仏教の世界では「諦める=明らめる」という意味で、むしろポジティブなイメージを持つ言葉だそうです。
あまり人生に期待せず、いろんなことを諦めれば理想と現実のギャップに苦しむことが無くなり、生きるのがラクになります。
他人とは分かり合えない
他人というのは、自分の都合で好き勝手なことを言うものだ。人の話を真に受けて自分が失敗したとしても、その人が責任を取ってくれるわけじゃない。結局、自分の人生は自分で引き受けるしかない。他人は同じ人間であっても、自分とはまったく違う感覚を持つ別の生物だと考えたほうがいい。そもそも理解し合えないもので、たまに意思疎通ができたらラッキーくらいなものだ。
自分と他人はまったく違う生き物なので、他人の言うことを真に受ける必要はありません。
見た目は同じ人間でも、考え方は人それぞれまったく違うからです。
自分の意見が相手に当てはまるとも限らない。
逆に、相手の意見が自分に当てはまるとは限らない。
人にはそれぞれ考えがあり、正解・不正解も違います。
そもそも理解し合えないのが普通なので、他人に何か言われたとしても、あまり気にする必要はないでしょう。
生きてるだけでも偉い
36歳まででも、「よくこんな年まで生き延びた、偉い」という感じだ。そんなふうに思うのは自分の友人や知人で、20代や30代など若くして死んだ人が結構いるせいかもしれない。うまく働けない奴とか、うまく人間関係を作れない奴とか、社会に適応できない人間はやっぱり死にやすい。
私はいま38歳なのですが「もう十分長生きしたな」と思っています。
28歳のときに鬱病で自〇未遂したので、本来ならそのときに私の人生は終わっていたはずです。
だから今は余生というか、ボーナスステージみたいなものだと思っています。
phaさんの友人は「義務教育を終えたら余生」と言っていたそうです。
社会に適応できず、生きづらさがある人は「余生を送る」つもりで生きれば、もっと気楽に生きられると思います。
感想
世の中にある99%の「やるべきこと」「しなくてはいけないこと」は、社会が作った幻想です。
その幻想に囚われてしまうと、本来はやらなくてもいいタスクに忙殺されることになり、身動きが取れなくなってしまいます。
99%の「やるべきこと」を手放して、自分にとって本当に大事な1%に注力すれば、自分の人生を取り戻すことができるでしょう。
この本は、
「やるべきことに追われて、毎日疲弊している人」
「他人の人生ではなく、自分の人生を生きたい人」
そんな人におすすめの本です。


コメント