絶対に終電を逃さない女さんの『虚弱に生きる』を読みました。

【読書日記】『虚弱に生きる』絶対に終電を逃さない女
どんな本?
虚弱体質である著者の日常エッセイ集。
「体力がないことは、時間がないこと」
「仕事がないからじゃなくて、体力がないからお金がない」
など。
自身の虚弱体質と折り合いをつけながら生きる、著者の体験談が書かれている。
学びになった点
文章を書くことでしか生きる道がない
私が専業なのは、売れっ子だからではなく、文才があるからでもなく、それ以外の才能と体力がなさすぎるから。
(中略)肩書を求められた際は、「作家」だと小説家のイメージが強いので現状「文筆家」にしているが、「書かなければ生きていけない生き物」というのが一番しっくり来る。
もはや社会的動物としての人間であり続ける自信もない。
著者は専業で文筆家をやっているそうです。
私は本の執筆のほかに、ブログやYouTubeもやっています。
ですが、いずれも更新頻度は少ないため、専業みたいなものです。
売れっ子作家以外は、メインの収入源となる「本業(ライスワーク)」を持ちながら「副業(ライクワーク)」の形で執筆活動をしていると思います。
しかし、私や著者は体力がないため、他の仕事をしながら本の執筆はできません。
「書かなければ生きていけない生き物」という表現は、的を射ていると思います。
体力がないことは、時間がないこと
なぜ体力がないと時間がなくなるのか。
まず、過眠で睡眠時間が長いので起きている時間が短い。
時期によって変動はあるが、平均で十時間くらい寝ている。
理想的な睡眠時間が八時間だとすると、これだけで一日二時間も損をしている。
体力が無い人は、時間も無くなります。
なぜなら、睡眠時間が長くなるため、1日の活動時間が短くなるからです。
普通の人が8時間睡眠だとすると、1日の活動時間は16時間。
私は著者同様に、毎日10時間は寝ているため、1日の活動時間は14時間。
1日2時間、活動時間が減っています。
このように、体力が無くて睡眠時間が長い人は、普通の人と比べて1日に使える時間が短くなります。
労働時間は1日4時間が限界
労働は、一日四時間×週五日。
信じられないかもしれないが、これが私の限界だというのが現時点での結論である。
一日くらいなら無理をして八時間働けるが、これは平均的な体力の人にとっての徹夜に近い行為で、翌日はほぼ丸一日休まなければならないし、体調を崩すリスクも高い。
1日8時間ではなく、1日4時間労働。
これが著者の労働時間の限界だと言います。
私も同じ意見で、1日8時間働くのは体力が無さ過ぎて無理です。
私の場合、1日4時間労働を週3日ぐらいでしょうか。
それでも結構きついと思います。
ベストセラーとなった『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の著者、三宅香帆さんもフルタイムで働くつらさを作中で洩らしています。
就職して驚いたのが、週に5日毎日9時半から20時過ぎまで会社にいる、そのハードさでした。
三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』
──週5でみんな働いて、普通に生活してるの? マジで? 私は本気で混乱しました。
年収100万円以下で暮らす
私は年収が百万円を超えたことがない。
月収の間違いでもないし、桁を間違っているわけでもない。
(中略)公営住宅に入居しており、家賃が一万円台前半なので、年収百万円未満でも最低限の生活はできる、というのが端的な回答になる。
この家計をある友人に話したら、それでも普通は生活できないだろうと言われたが、それに関しては単純に節約しているとしか言いようがない。
著者は年収100万円を超えたことがないそうです。
それでも生活できているのは、シンプルに「節約しているから」。
- 家は公営住宅で、家賃が1万円台前半。
- 低所得者なので税金は非課税
- 国民年金は全額免除
- ほぼ毎食自炊で、お酒は飲まない
- お金のかかる遊びはしない
など。
杵築市の家賃1万円アパートに住む私と、ほとんど同じです。
家賃を抑えて贅沢しなければ、年収100万円以下でも生活できます。
体力がないから、お金がない
ではなぜこんなに収入が少ないのか。
仕事がないからではなく、体力がないからである。
前項に書いた通り体力がないから時間がなく、時間がないから仕事量が少ないのだ。
収入が少ないのは、体力が無いから。
体力無いからたくさん働けず、お金も稼げない。
私も著者と同じで体力がないため、1日の作業時間は4時間程度。
「もっと体力があれば、動画をたくさん作って、本の執筆もできるんだけどな」
と、自分の体力の無さを嘆きながら、ギリギリ死なない程度にお金を稼いでいます。
幸せは、健康のことだった
相変わらず仕事もお金もないし、体力が多少回復したところで人並みには程遠いし、景気も良くならないし、パートナーもいないし、欲しい服も全然買えないし、ちょっと高いレストランにも行けないのに、生きているだけで幸せだと思う瞬間さえあった。
この程度で幸せを感じられるなら、この先も生きていける気がした。
健康というだけで、幸せなんだ。
幸せって、健康のことだったんだ。
健康になりたい。
幸福とは、健康のこと。
普通の人は健康なのが当たり前すぎて「健康であることが、どれだけ幸せなのか」見落としがちです。
そして多くの人が、健康の大切さを失ってから気づきます。
哲学者のショーペンハウアーは「幸福の90パーセントは健康だ」と主張しました。
そもそも私たちの幸福の90パーセントは、もっぱら幸福を基盤としている。
ショーペンハウアー『幸福について』鈴木芳子訳
健康であれば、すべてが楽しみの源泉となる。
逆に健康でなければ、いかなる種類の外的財宝といえども、楽しむことができない。
(中略)人間の幸福にとって無病息災は、ずばぬけて大切なのだから。
ここから収益や昇進、学問研究や名声のために、ましてや好色や刹那的な快楽のために、何のためであれ、自分の健康を犠牲にするのは、愚の骨頂だと推論できる。
もっと正確に言うなら、いっさいを健康の後回しにすべきである。
健康であれば、あらゆる行為が楽しみの源泉となり、不健康ではどんなことをしても楽しめない。
幸せになるためには、何よりも健康を最優先することです。
感想
私自身、普通の人より体力がなく疲れやすいため、深く共感しました。
「体力が異常なほど無い」というハンデを抱えて生きるのは、誰にも理解されなくて辛かったです。
本書を読んで、自分と同じ悩み・苦しみを持っている人がいて安堵しました。
私と同じように「体力がない」「疲れやすい」人に読んでもらいたい1冊です。


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