『精神科医が見つけた3つの幸福』 樺沢紫苑
著者の紹介
樺沢紫苑(かばさわ しおん) 精神科医、作家、映画評論家 1965年、札幌生まれ。
1991年、札幌医科大学医学部卒。札幌医大神経精神医学講座に入局。
2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。 帰国後、東京にて樺沢心理学研究所を設立。
「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、 YouTube(30万人)、メールマガジンなど累計60万フォロワーに 情報発信をしている。 著書37冊、累計発行部数180万部。
出典:樺沢紫苑公式ブログより
本の概要
30年間、精神科医として働いている著者の「幸せに生きる」ための答えを、集大成としてまとめたもの。
人間は幸せを感じるとき、脳内で100種類以上の幸福物質が出ている。
つまり、幸福とは「脳内で幸福物質が十分に出ている状態」であり、幸福物質を出す条件こそ「幸せになる方法」であると言える。
主な幸福物質として、
- セロトニン
- オキシトシン
- ドーパミン
この3つが注目されている。
その3つの幸福物質をベースに、「人が幸せに生きるために、どうすればいいのか?」を記した本。
こんな人におすすめ
- 幸せに生きるための「具体的なtodo」が知りたい人
- 色んな幸福に関する本を読んでも、あまり効果がなかった人
- 哲学や精神論ではなく、エビデンスに基づいた幸福術を学びたい人
学びになった点
3つの幸福について
人間の幸福は、
- セロトニン的幸福
- オキシトシン的幸福
- ドーパミン的幸福
上記3つに分類される。
- 体と心の健康による幸福
- 体調が良い、清々しい、リラックスできるなど
- セロトニン的幸福が失われると、うつ病、不安感、キレやすいなどの状態になる
- 健康な人にとって、あるのが当たり前だから気付かない。失って初めて気付くことが多い
- 3つの幸福のベースとなる、最も重要な要素
- 他者との交流、関係によって生まれる幸福
- 人間関係、コミュニケーション、コミュニティへの所属など
- オキシトシン的幸福が失われると、人間関係が苦しい、孤独で寂しいなどの状態になる
- 私たちのストレスの多くは、人間関係によるもの。職場のストレスは、「人間関係が9割」と言われている
- オキシトシン的幸福が失われると、うつ病などのメンタル疾患を引き起こし、連鎖的にセロトニン的幸福も失われる
- 何かを得たり、達成することによって得られる幸福
- お金、地位、名誉、目標達成、自己成長、社会的成功など
- ドーパミン的幸福が暴走すると、アルコールやギャンブルなど依存症になる恐れがある
- セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福と違い、逓減しやすいため長続きしない
- ドーパミン的幸福には対価が必要。何かを買うお金や、仕事で認められる労力など
- ドーパミンは、「もっともっと」の物質。もっとお金が欲しい、もっとゲームがやりたいなど
3つの幸福には、優先順位がある
3つの幸福は、手に入れる優先順位がある。
結論から言うと、「セロトニン的幸福→オキシトシン的幸福→ドーパミン的幸福」の順番。
すべての幸福は、健康の上に成り立っている。
多くの人は優先順位を間違えているから、幸せになれない。
この優先順位を守らないと、幸福になるどころか不幸になる可能性がある。
3つの幸福を手に入れるための方法
- 朝散歩…起床後1時間以内に、15~30分程度の散歩をする
- 気付く…心身の健康など、小さな幸せに気付く能力をトレーニングする
- 今にフォーカスする…過去や未来に囚われると、不幸になる。「今、楽しい」を積み上げる。
- つながる…友人や仲間との交流。人に親切にする、他者貢献など
- 感謝する…1日3回、誰かに感謝して「ありがとう」と言う。日記につけても良い
- 人間関係を整える…家族や職場の同僚など、自ら行動して人間関係の改善に努める
- 制限する…お酒は1日1杯、ゲームは1日1時間など。あえて制限することで逓減しにくくなり、長く楽しめるようになる
- 自己成長…仕事で出来なかったことが、出来るようになる。本を読んで知らなかったことを知るなど。プチ成長を継続する
- チャレンジする…ちょっとだけ難しい課題(自分がイメージする10分の1ぐらい)にチャレンジして達成する
この本を読んで変わったこと
本書を読んでから、3つの幸福をベースとして行動するようになりました。
まずは健康(セロトニン的幸福)を最優先し、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠をとる。
体の健康だけでなく、精神的なストレスになることは「どうすればやらずに済むのか?」徹底的に考え、1つずつ無くしていきました。
私は会社で働くと体調を崩してしまうため、労働から身を遠ざけることで健康が維持できています。
オキシトシン的幸福は、自分に合わない人とは無理して付き合わないこと。
付き合う人を最適化することで、人間関係によるストレスはほとんど無くなりました。
ドーパミン的幸福は、主に自己成長で満たすことにしています。
- 本を読んで新しい知識を得る
- 副業で新しいスキルを身につける
- 自分で設定した目標を達成する
一度に大きな成長を狙うのではなく、毎日小さな「1」を積み上げて、日々成長し続ける。
飲酒や買い物といった消費活動によるドーパミン的幸福は、逓減しやすく依存性があるためほとんどやりません。
まとめ
- 人間の幸福は、「セロトニン的幸福」「オキシトシン的幸福」「ドーパミン的幸福」の3つに分けられる
- セロトニン的幸福とは、体と心の健康。体調が良い、リラックスできるなど
- オキシトシン的幸福とは、人とのつながり。他者との交流、コミュニティの所属など
- ドーパミン的幸福とは、成功や達成。お金やモノを得る、スポーツ大会で優勝する、仕事で成功するなど
- この3つの幸福は優先順位を守らないと、かえって不幸になる可能性が高い
- セロトニン的幸福を手に入れるためには、「朝散歩」「小さな幸せに気付く」「過去や未来に囚われず、今を楽しむ」などがある
- オキシトシン的幸福を手に入れるためには、「他者貢献」「人に感謝する」「人間関係を整える」などがある
- ドーパミン的幸福を手に入れるためには、「楽しみを制限する」「小さな自己成長を続ける」「新しいことにチャレンジする」などがある
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