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【書評】『方丈記』鴨長明。日本最古の隠居から学ぶ、人生の極意

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  1. 書評『方丈記』
    1. 著者紹介
    2. 本の概要
    3. こんな人におすすめ
    4. 学びになった点
      1. 人を頼りにすれば、その人の言いなりになってしまう。人を養い育てると、自分の心が愛情に振り回されてしまう。世間の常識に従えば、苦しくなる。従わなければ、まともではないと思われてしまう。
      2. もし、念仏をするのが面倒になり、読経に気持ちが向かないときは、思いのままに休み、なまける。それを禁じる人もいないし、誰かに対して恥ずかしいと思うこともない。
      3. 琵琶をうまく弾けはしないけれど、誰かに聞かせて喜んでもらおうというのではない。一人で弾き、一人で歌い、自分の気持ちを豊かにしようというだけのことだ。
      4. やどかりは、小さな貝を好む。そのほうがよいと知っているからだ。みさごという鳥は荒磯に棲む。それは、人間を恐れるからだ。私もまたそれと同じだ。世間に近く住むことがどういうことか、どうなるか、知っているから、もう何かを望むこともないし、あくせくすることもない。ただ、静かに暮らすことだけを考え、余計な心配のないことそのものを楽しんでいる。
      5. もし、するべきことがあれば、自分の身を使えばそれでよいだけだ。疲れてしまうこともあるけれど、人を使い、そのために気を遣うよりは、気楽だ。
      6. 藤の繊維で織った粗末な衣、麻の夜具、手に入った衣類をまとえばそれでいい。野原のよめ菜、峰で採れる木の実など、そのときどきに得られたものを食べて、命を繋ぐことができれば、それでいい。人に会うわけではないから、自分の身なりを恥ずかしく思うこともない。手に入る食料が少ないから、どんなものでも、おいしく感じられる。
      7. 魚は水に飽きない。魚でなければ、その心はわからない。鳥は林にいることを願う。鳥でなければ、その心は知れない。閑居の味わいもそれと同じだ。そのような暮らしをしてみないことには、誰にそのよさがわかるだろうか。
    5. この本を読んで変わったこと
      1. この世の無常に対する受け止め方が変わった
      2. 隠居生活を実践する自分の価値観を、より鮮明にできた
  2. まとめ

書評『方丈記』

著者紹介

平安時代から鎌倉時代にかけての歌人・随筆家「鴨長明」。(1155生誕~1216没)

京都下鴨神社の正禰宜(神官の最高位)の子として生まれる。

長明が18歳のときに父が他界して、後継者争いに敗れる。

20代から30代にかけて五大厄災を経験。

47歳の時に河合社の禰宜職に推薦されるも、親族から反対され叶うことはなかった。

50歳のころに出家して、洛北の大原で5年ほど隠棲。

その後、日野の山中へ移り一辺3メートルの小屋「方丈庵」を建てて、終の棲家とした。

本の概要

本書は五大厄災の体験を綴った前半パートと、隠居生活の様子を記した後半パートに分けられる。

方丈記の五大厄災
  • 安元の大火
  • 治承の旋風
  • 福原遷都
  • 養和の飢饉
  • 元暦の大地震

前半は五大厄災の体験記、当時の様子を記録したルポルタージュのようなもの。

後半は方丈庵での穏やかな暮らしや、俗世に対する長明のつぶやきが記されている。

何度も大きな厄災に見舞われ、また権力争いに敗れ最期まで成功できなかった長明の人生。

「人生で突然襲われる厄災などのトラブルを、どう乗り越えていけばいいのか?」を学ぶことができる一冊。

こんな人におすすめ

この本は、こんな人におすすめです。
  • 出世や競争からは離れて、穏やかに暮らしていきたい人
  • 人生で突然訪れる不幸に対して、心構えが知りたい人

学びになった点

人を頼りにすれば、その人の言いなりになってしまう。人を養い育てると、自分の心が愛情に振り回されてしまう。世間の常識に従えば、苦しくなる。従わなければ、まともではないと思われてしまう。

他人に依存すると自分の意志は無くなり、他人の人生を生きることになる。

他人に気をかけると、自分の心は他人のために使われてしまう。

自分の意見を押し殺して世間の常識に従うと、本当の自分から遠ざかり生きづらくなる。

逆に世間の常識に従わない場合、「あいつは非常識なやつだ」と、周りから変人扱いされて攻撃の対象となる。

人間関係から生まれる悩みは、800年前から変わらないようです。

リョウ
リョウ

世間の常識に従うと、本心で生きれなくなり苦しくなる。
自分らしく生きようとすると、今度は周りから変人扱いされる。
この葛藤は、今も昔も同じみたいです。

もし、念仏をするのが面倒になり、読経に気持ちが向かないときは、思いのままに休み、なまける。それを禁じる人もいないし、誰かに対して恥ずかしいと思うこともない。

長明が自身の怠惰なところを素直に綴った、人間らしい一節。

私も毎日のように文章を書いていますが、「気分が乗らない」「面倒くさい」時は寝袋にくるまって、ひたすら漫画や動画を見て過ごします。

怠けたところで叱る人もいなければ、「この人の前だから、ちゃんとしないと…」と思う人もいないので、なんのストレスもありません。

一人でいるからこそ、他者を気にかけず自分らしく生きることができるのです。

リョウ
リョウ

誰も気にする必要がない、一人でいるのが一番気楽です。

琵琶をうまく弾けはしないけれど、誰かに聞かせて喜んでもらおうというのではない。一人で弾き、一人で歌い、自分の気持ちを豊かにしようというだけのことだ。

他人のために演奏するのではなく、あくまでも自分が楽しむために演奏する。

自分で自分を楽しませる、長明の「自足的な生活」が伺えます。

古代ギリシャ哲学者のアリストテレスは、幸福の定義を「それ自体が目的となり、自足的であること」としました。

私も他人に頼らず、本を読んだり文章を書くことで自分を満たす「自足的な生活」に、幸福を感じています。

リョウ
リョウ

自分ひとりで楽しむ「自足的な生活」は、外的要因に左右されず安定した幸福感を得ることができます。

やどかりは、小さな貝を好む。そのほうがよいと知っているからだ。みさごという鳥は荒磯に棲む。それは、人間を恐れるからだ。私もまたそれと同じだ。世間に近く住むことがどういうことか、どうなるか、知っているから、もう何かを望むこともないし、あくせくすることもない。ただ、静かに暮らすことだけを考え、余計な心配のないことそのものを楽しんでいる。

私が一番好きな一節。

  • 身の丈に合った小さな住処を好むヤドカリ
  • 人間を恐れて人がいない場所に住むミサゴ

俗世との関わりを避けて、小さな方丈庵で住む長明は、これらの生物と自分を重ねているのです。

私もヤドカリのように小さな家を好み、ミサゴのように人間を恐れています。

世間とは距離を置いて静かに暮らし、心配事がないのが一番の楽しみです。

リョウ
リョウ

人生における不安や苦痛がないことが、一番の幸福です。

もし、するべきことがあれば、自分の身を使えばそれでよいだけだ。疲れてしまうこともあるけれど、人を使い、そのために気を遣うよりは、気楽だ。

長明は他のものに頼らず、「自分のことは自分でやる」自助の生活を好んでいたようです。

私も他人に頼ると「悪いことしたかな…」「後で何かお返ししないと…」と気にしてしまうので、自分のことはすべて自分でやります。

自分でやったほうが相手を気にしなくて済むし、お金もかかりません。

何でも自分でやると手間はかかりますが、相手の心配をしなくていいので気楽で良いです。

リョウ
リョウ

人に頼むと色々気にしてしまい、かえって辛くなるので、なんでも自分でやるようにしています。

藤の繊維で織った粗末な衣、麻の夜具、手に入った衣類をまとえばそれでいい。野原のよめ菜、峰で採れる木の実など、そのときどきに得られたものを食べて、命を繋ぐことができれば、それでいい。人に会うわけではないから、自分の身なりを恥ずかしく思うこともない。手に入る食料が少ないから、どんなものでも、おいしく感じられる。

私の食事は麦ごはんと味噌汁を主体とした「一汁一菜」で、毎日同じユニクロの服を着ています。

質素な食事でも、お腹が空いていれば十分美味しいです。

また、他人と交際しなければ、毎日同じ格好をしてても恥ずかしく思うことはありません。

周りの目を気にすると「もっと手の込んだものを作らないといけない」「ちゃんとした服を着ないとバカにされる」と、余計な心配事を招く原因になります。

リョウ
リョウ

「毎日同じ食事」「毎日同じ服装」でも、ほとんど他者との交流がないので、全く気になりません。

魚は水に飽きない。魚でなければ、その心はわからない。鳥は林にいることを願う。鳥でなければ、その心は知れない。閑居の味わいもそれと同じだ。そのような暮らしをしてみないことには、誰にそのよさがわかるだろうか。

魚はずっと水の中で暮らし、鳥は林の中で過ごします。

私たち人間には、水中での生活や林の中で暮らす良さを理解することはできません。

人もまた同じで、私が隠居生活の良さを語ったところで、ほとんどの人には理解されないでしょう。

しかし、価値観は人それぞれで、人の数だけ理想とするライフスタイルがあります。

周りが何と言おうが、住んでいる本人じゃないとその良さは分からないのです。

リョウ
リョウ

生き方は人それぞれ。
自分から見て理解できない生き方だとしても、その人にとっては良い生き方なのです。

この本を読んで変わったこと

この世の無常に対する受け止め方が変わった

出だしの「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」という文章から、「この世のすべては、常に変化し続けている」ことが分かります。

長明の時代は、それが五大厄災として自身の身に降りかかりました。

私自身、東日本大震災の被害者なので「平和な日常が突然壊される」ことを経験しました。

今日は元気でも、明日はどうなっているか分かりません。

人の力で抗えない「この世の無常」に対しては、「今、この瞬間」を悔いなく生きることが大事です。

隠居生活を実践する自分の価値観を、より鮮明にできた

長明の方丈庵での生活と、私が実践している隠居生活は似ている部分が多いです。

長明と私の似ているところ
  • 自分で自分を楽しませる自足的な生活
  • 人に頼らず、なんでも自分の力でやる
  • 質素な食事、簡素な服装でも気にならない
  • 誰かといるより、ひとりでいるほうが気楽でいい
  • 俗世から離れて、静かに暮らすことを望んでいる

これらの記述は、隠居生活を実践する私の価値観を言語化するため、とても参考になりました。

まとめ

『方丈記』 まとめ
  • 著者は平安時代から鎌倉時代にかけての歌人・随筆家「鴨長明」
  • 本の概要は、前半が五大厄災による体験記。後半は俗世から離れた隠居生活の様子が記されている
  • この本は「俗世から離れて心穏やかに暮らしたい人」「この世の無常を、どう乗り越えていけばいいのか知りたい人」におすすめ
  • 他人と関わると、気苦労が増えて心が休まらない。自分らしく生きたいのに、常識に従わなければ変人扱いされてしまう。人間関係から生まれる悩みは、800年前から変わらない
  • ひとりでいれば他人に気を使わず、自分のペースで生きることができる
  • 自分で自分を満たす、自足的に暮らすことが幸福につながる
  • 俗世との関わりを捨てて、不安がないことが一番の楽しみである
  • 何かをするとき、他人を頼ると気疲れしてしまう。自分でやったほうが気楽でいい
  • 人との交流がなければ、毎日同じ食事や服装でも、気になることはない
  • 価値観は人それぞれなので、人の数だけ理想とするライフスタイルは存在する
  • この本を読んで、この世の無常に対する受け止め方が変わった
  • この本を読んで、隠居生活を実践する自分の価値観をより鮮明にできた

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