こんにちは、リョウ(@ryou_inkyo)です。
ブログ運営とKindle本の制作をしています。
「思うように文章が書けない…。分かりやすい文章術の本は無いかな?」と、悩んでいませんか?
そんな方には、元電通コピーライターの田中泰延さんが書いた『読みたいことを、書けばいい』を、読むことをおすすめします。
以前の私は「どんな文章を書けばいいんだろう?」「どうやって書けばいいんだろう?」と悩み、思うように文章が書けないときがありました。
本書に書いてある内容を実践してからは、文章の書き方で悩むことが減って、スムーズに書けるようになりました。
この記事では、『読みたいことを、書けばいい』の内容の一部を紹介します。
文章が思うように書けない人でも、スムーズに書けるようになるヒントが載っているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
『読みたいことを、書けばいい。』 田中泰延
自分のために書くということ
自分が読んでおもしろくもない文章を、他人が読んでおもしろいわけがない。だから、自分が読みたいものを書く。それが「読者としての文章術」だ。
「どんな文章を書けばいいのか?」文章を書く人なら、誰もが一度は経験する悩みですよね。
本書では、「自分が読んでおもしろい文章を書けばいい」と、一貫して主張しています。
なぜなら、自分が読んでおもしろくもない文章は、他人が読んでもおもしろくないからです。
料理に例えると、自分が食べて美味しくない料理は、誰が食べても美味しくありません。
逆に自分が食べて美味しい料理なら、他の人も美味しく感じるでしょう。
著者の田中さんは、30年以上前に読んだ職業適性診断に書いてあった「あなたはゴリラか?YES・NO」という内容が忘れられないそうです。
「自分が読みたいことを書く」には、他者の記憶にずっと残り続けるような、強烈な破壊力があります。
難しいことは考えず、「自分が読みたいことを書けばいいんだ。」と思うことで、文章を書くのがラクになりました。
ネット上で読まれている文章の9割は「随筆」
じつは、書きたい人がいて、読む人がいる文章のボリュームゾーンは「随筆」なのである。
本書には、「ネットで読まれている文章の9割は随筆」と、書かれています。
では、随筆とは何か?改めて聞かれると、うまく説明できませんよね。
随筆とは、「事象と心象が交わるところに生まれる文章」です。
- 事象…見聞きしたこと、知ったこと
- 心象…事象に触れて心が動いたこと
この記事を例にすると、「本を読んで知ったこと(事象)」と、「読んで心の中に浮かんだこと(心象)」を、混ぜて書いてあります。
文章は随筆だけでなく、「事象を中心に書かれた文章」「心象を中心に書かれた文章」も存在します。
それぞれ文章の違いをまとめると、以下の通りです。
自分が書く文章の分野を知っておくことで、目指すべき方向性が見えてきます。
私を含め多くのブロガーは、「随筆」を書いていることになります。
ターゲットなど想定しなくてもいい
読み手など想定して書かなくていい。その文章を最初に読むのは、間違いなく自分だ。自分で読んでおもしろくなければ、書くこと自体が無駄になる。
文章を書くときは、「ペルソナ(ターゲットとなる架空の人物像)を設定しましょう」という教えが一般的です。
しかし、本書では「特定のだれかに書くターゲット論」を否定しています。
ターゲットを想定したところで、その対象となる人たちには届かないからです。
ターゲットとなる読者に向けて書いた文章は、ネット上に「置かれる」だけで、直接「届けられる」ことはありません。
読み手を想定したところで、その人たちのもとに届けることはできない。
だからこそ、「その文章を最初に読む自分が、おもしろいと思う文章を書くのが大事」ということです。
Webライティングの世界には、「ペルソナを設定して、その人のために書きましょう」といった教えがあります。
実際には、こちらの狙い通りに読者のもとへ届くことはほとんどないです。
まず「自分という読者」を楽しませるために、文章を書かなければいけません。
他人の人生を生きてはいけない
満足かどうか、楽しいかどうかは自分で決めればいい。しかし、評価は他人が決める。他人がどう思うかは、あなたが決められることではない。(中略)評価の奴隷になった時点で、書くことがいやになってしまう。他人の人生を生きてはいけない。
私が最も影響を受けたのが、ここの文章です。
文章を書いてネットに公表するときは、どうしても「自分は良いと思うけど、他の人はどう思うだろう…」と、他人の評価を気にしてしまいます。
そんな思いを払拭してくれたのが、本書の「誰かのために書くな」「評価されるために書くな」という教えです。
私のような無名の人物が、何十時間もかけてどれだけ良いと思った文章を書いても、まったく評価されません。
「何を書いたか」より「誰が書いたか」のほうが、多くの人にとって重要だからです。
それに対して、宇多田ヒカルが美味しかったロースカツ定食840円の話をササっと書いただけで、何千、何万もの「いいね」がつくでしょう。
「バズりたい」「たくさん読まれたい」といった動機をもとに書くと、評価されなかったときに文章を書くのがイヤになってしまいます。
だからこそ、他人の評価を求めず「自分が読んでおもしろいと思う文章が書ければ、それで幸せ」と思うことが重要です。
「評価は他人が決めるのだから、気にしてもしょうがない。自分がおもしろいと思う文章を書けばいい」
物書きの端くれである私は、田中さんの教えに救われました。
これからもこの教えを忘れず、自分がおもしろいと思った文章を書き続けたいと思います。
物書きは調べることが9割9分5厘6毛
書くという行為において最も重要なのはファクトである。(中略)ライターの考えなど全体の1%以下でよいし、その1%以下を伝えるためにあとの99%以上が要る。
ライターにとってのほとんどの仕事は「調べること」に、あります。
なぜなら、随筆を書くために事象の強度が不可欠だからです
心象を語る前に調べ上げた事象を提示して、興味を持ってもらわなければなりません。
「今日は寒い一日だった」と書くより、「今日寒いのはラニーニャ現象の反動です」と書いた方が、「ラニーニャ現象ってなんだろう?」と、興味を持ってもらえます。
1%の心象を伝えるために、99%の事象が必要です。
徹底的に調べてから事象という名の土台を作り、それから自分の考えを伝えましょう。
心象だけ書いても「あなたはそう思うんですね」で終わってしまいますが、事象を提示することで「それってどういうことなんだろう?」と、読み手側が考える主役となれます。
本書を読んで変わったこと
他人の評価が気にならなくなった
本書を読んでから、自分が書いた文章に対する他人の評価が気にならなくなりました。
他人の評価を気にしても自分がコントロールできるものではないし、読みたいことを書ければそれで満足できるからです。
以前は「人の役に立つ文章を書かないと」「こんなこと書いたら変に思われるかも」など、自分の書きたいことより「他人にどう読まれるか?」を意識してしまうことがありました。
今では自分が読みたいことさえ書ければ、それで満足だと思えるようになったので、他人にどう読まれても気にならなくなりました。
文章だけでなく創作活動全般に言えますが、他人の評価を気にしすぎて自分の作りたいものが作れなかったり、創作自体を辞めてしまう人がいると思います。
「自分が作りたいものを作れたら、それで満足だ」と思えば、他人の評価を気にせず楽しく続けることができます。
ターゲット(想定読者)に悩まなくなった
ブログを書くときに、ターゲットに悩まなくなりました。
ターゲットを想定して文章を書いても、あくまでもネット上に「置かれる」だけで、実際に「届ける」ことはできないからです。
ブログの教本には、「ペルソナ(ターゲットとなる架空の人物像)を想定して、その人のために書きましょう」など書いてあります。
実際は教本通りに書いてみても、都合よく自分が考えたターゲット層に読まれることはありません。
メールマガジンのように直接「届ける」ことができたら別ですが、ブログの場合は自分のサイトに「置かれる」だけなので結局、読んでもらえるかは読者次第です。
「無理してターゲット設定しなくていいんだ」と思うことで、文章を書くのが精神的にラクになりました。
どのブログ教本を読んでも「ターゲットは明確にしましょう」と書いてあるので、最初読んだときはびっくりしました。
24年間、広告業界でコピーライティングの仕事をしてきた田中さんだからこそ、言えるセリフだなと思いました。
田中泰延さんの文章から学んだこと
視覚的に見やすい文章の書き方
田中さんが書いた文章は「他の本と比べて、すごく読みやすいな」と、思いました。
読みやすい理由を考えてみると、4~5行ぐらいで改行だけでなく段落分けされているからです。
改行だけで書かれている文章と、段落が使われている文章の違いはエックスサーバーさんの例が分かりやすいです。
出典:エックスサーバー 「WordPressで改行と段落を作る方法とは?読みやすい記事を書くコツも紹介!」
細かいテクニックですが、改行だけでなく段落を使うことで、圧倒的に文章は見やすくなります。
「改行だけじゃなくて段落を使うことで、こんなに見やすくなるのか…」と、感動してしまいました。
私も現在Kindleの原稿を書いているので、早速このテクニックを使わせてもらっています。
文章を最後まで飽きずに読ませるコツ
田中さんが書く文章は読みやすいだけでなく、最後まで飽きずに読むことができます。
強調したいところは太文字+大文字を使ってメリハリをつけることで、文章のリズムに変化がついてテンポが良くなるからです。
ただでさえ長い文章が、ずっと同じリズムで続くと飽きてしまい、途中で読むのをやめてしまいます。
講習を受けてるときに、同じ声のトーンで長話が続くと眠くなるのと同じです。
しかし、声に強弱をつけることで、「ここは大事な話かな?」と、眠くならずに集中して聞けます。
それと同じで、文章でも小さい文字と大きい文字を使い分けてメリハリをつけると、テンポが良くなって飽きずに最後まで読むことができます。
普段は太文字+下線を引いて強調していますが、この記事は田中さんに倣って太文字+大文字を使っています。
まとめ
この記事では、田中泰延さんの著書『読みたいことを、書けばいい』の書評を紹介しました。
当記事のまとめです。
「どんな文章を書けばいいのか分からない」
「思うように文章が書けず悩んでいる」
「自分が目指す文章の分野を知りたい」
そんな方の参考になれば幸いです。
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